“国民に不人気” 特定秘密保護法施行 「あいまいさ」への懸念を海外メディア伝える

 約1年前に国会での承認を経て法案が成立した特定秘密保護法。12月10日に施行された。日本国内でも賛否両論があり、海外メディアからもこの法律の施行に注目が集まっている。

◆特定秘密保護法と日本国内の意見
 秘密保護法とは、日本の安全保障に支障を与える情報を漏らすと厳罰が科される法律である。罰則対象の情報は「防衛」「外交」「スパイの防止」「テロの防止」の計4分野。秘密の期間は5年以内だが、更新は可能。情報を漏らした場合は最高で懲役10年、教唆した者には最高懲役5年となる。

 日本国内でも反対意見は根強い。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、法案成立時点での世論調査では、反対が3分の2を占めた。これが安倍内閣の支持率を押し下げたため、施行まで1年をかけ、国家秘密に相当するものを指示するプロセスを監視する枠組みを作った。しかし、今月10日には施行反対のスローガンを掲げた、数百人規模の抗議行動が行われた(ロイター)。

 12月1日の共同通信の調査によると、国民の58%はこの法律を改訂または廃止すべき、39%は現状維持、または強化すべきとの意見であるという。

 これに対し安倍総理は、「この法律は厳密にスパイやテロリストを対象としたものだ。表現の自由、報道の自由を脅かすものではない。もしこの法律で映画製作が妨げられ、報道の自由が制限されたら、私は辞任する」と強気の姿勢で臨んでいると、ウォール・ストリート・ジャーナル紙、ブルームバーグは報じている。

◆海外メディアの視点
 一方海外メディは法律の「あいまいさ」に焦点を当て、議論を展開している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙、ブルームバーグでは、日本新聞協会の「どの情報が秘密保持にあたるのか、この法律ではあいまいである。政府は自分たちにとって不都合な情報を国家秘密と指示し、国民が必要とする情報を抑圧するためにこの法律を使うのではないか」とのコメントを紹介している。また日本弁護士連合会も同様の趣旨の意見を発表したとのことである。

 ロイターはNPO法人・クリアリングハウスジャパンの三木由希子理事長の意見を掲載。それによると「政府が何を秘密にしようとしているのかに関する不安がぬぐえず、これが国民に抑圧的影響を与えている」という。また、10日の抗議行動の参加者の一人は「この法律は国民の知る権利を制限する、あいまいな点が多い。第2次大戦の情報統制下の時代に我々を引き戻す」と述べたという(ロイター)。

 また、国境なき記者団が発表した2014年の世界報道自由度指標(14の団体と130人の特派員、ジャーナリスト、調査員、法律専門家、人権活動家らが評価)では、日本のランクは180か国中59位で、2013年の53位よりさらに順位を下げた。ちなみに2012年は22位で、ここ数年で大幅に順位を下げている。同団体は「調査によるジャーナリズム、公共の利益、ジャーナリストの情報源の秘密性が、すべて犠牲になった」とのコメントを発表した(ブルームバーグ)。

Text by NewSphere 編集部