日本で「女性版ダボス会議」開催へ 「慰安問題に対する態度と矛盾」と韓国紙

 9日、オセアニアを歴訪中の安倍首相は、世界各地から女性リーダーを集めた女性だけの国際会議「女性版ダボス会議」を創設する旨を明らかにした。この会議は毎年開催する予定で、記念すべき第一回は9月に予定している。IMF専務理事のラガルド氏やブレア英元首相夫人のシェリー・ブレア氏らが参加する見込みだ。

 女性の社会進出を重要課題の一つとして挙げている安倍首相は、この会議を「第三の矢」である成長戦略の一環として捉え、女性の力を最大限に発揮できる社会づくりを後押しする意向だ。

 日本で管理職に就く女性は年々増加(平成26年版男女共同参画白書)しているものの、現在、管理職における女性の割合は約10%と、米国43%、フランス38.7%、イギリス35.7%に比べ圧倒的に低い。2020年に30%を目標にしている安倍首相のこの女性版ダボス会議創設発言を、複数の海外メディアが報じている。

【女性版ダボス会議に否定的な見方】
 安倍首相が率いる自民党にとって、女性版ダボス会議発言は“役立つ”とウェブ誌の『ディプロマット』は分析している。

 まず、日本企業に著しく足りていない女性の社会進出で、女性の企業活動への関心を刺激する可能性があること。また先月、東京都議会で塩村都議へのヤジに対する自民党への非難の一部を回避するやり方でもある、という。この会議で女性の社会進出が促進される可能性があるが、有効性が強調されるにすぎないだろう、と否定的に捉えているようだ。

 しかしながら、「急速な高齢化が進んでいる日本で、日本の経済成長には働く女性の数を増やすことが必要」、との認識で大部分のエコノミストが一致しているとインドのニューデリーテレビ(NDTV)が報じている一方で、「少ない保育施設」、「脆弱なキャリアサポート」、「凝り固まった性差別主義」が女性を家に閉じ込める原因では、と指摘している。

 他方、そもそも女性版ダボス会議事体、「代表的な女性人権侵害事例である軍の慰安婦問題に対する態度と矛盾している」という指摘が出ていると中央日報が伝えている。

【「105位」と「21位」、日本の男女平等ランクにギャップ?】
 世界経済フォーラムが毎年発表している「The Global Gender Gap Report 2013」によれば、ジェンダー・ギャップ指数(GGGI)が日本は136ヶ国中105位だった。この調査は「経済活動の参加と機会」、「教育」、「健康と生存」、「政治への関与」の4項目から判断しており、スコア(最大値1)が高くなるにつれ男女平等であると評価されている。

 日本はここ数年100位前後を行ったり来たりしており、2013年度のスコアを見ると「教育」(0.9757)と「健康と生存」(0.9791)は高く、「経済活動の参加と機会」(0.5841)と「政治への関与」(0.0603)はかなり低い。

 また、国連開発計画が毎年公表する『人間開発報告書』のジェンダー不平等指数(GII)では148ヵ国中21位と上位に食い込んでいる。「健康分野(妊産婦死亡率・若年女性の出産数)」、「エンパワーメント分野(国会議員女性割合・男女別中等教育を受けた人の割合)」、「労働市場分野(男女別労働力率)」を基準に算出されているが、先進国が優位となる傾向がある指数と言われている。日本の順位は、国の開発レベルと比べると低い順位と言える。

 なお、GGGIとGIIともに、上位を占めているのは北欧諸国である。

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Text by NewSphere 編集部