専門家の7割、消費増税賛成 増税へのカウントダウンか?

 消費税率引き上げの影響を検証する政府の集中点検会合が31日、6日間の日程を終了した。

 出席した有識者60人のうち7割以上が予定通り増税を実施することに賛成したものの、経済成長への打撃を緩和する措置をあわせて講じる必要性が指摘された。

 甘利経済再生担当大臣は「予定どおり来年4月に引き上げるべきだという有識者が多かった」としたが、「その場合は景気に悪影響を与えないよう緩和措置が必要だ」と総括した。

 安倍首相は、点検会合の結果について甘利経財相から報告を受けた上で、9日発表の4-6月期のGDP改定値や、10月1日発表の日銀の企業短期経済観測調査(短観)を検討した上で、10月初旬に最終判断する見通しだ。

【賛成派の主張】
 甘利経財相や大半の政府高官は、国内総生産(GDP)の200%超に達する政府債務残高を削減することが重要と主張し、「消費税を現行の5%から2014年4月に 8%に、15年10月に10%に引き上げる計画」を支持している。

 この対GDP200%超は先進国で最も高い数値だという。

【反対派の主張】
 一方反対派は、長い不況から回復の兆しがあるときに景気の腰を折ると反論している。

 首相のブレーンである経済顧問の、エール大学教授の浜田宏一氏と、静岡県立大学教授の本田悦朗氏は、増税は首相のデフレ脱却の目標実現を危うくすると主張し、年間1%ずつ増税する案を提案した。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、世論調査では反対派が大多数で、5人のうち1人しか計画を支持していないと報じた。

【安部首相への朗報】
 同紙はまた、生鮮食品を除いた消費者物価指数が前年同月比0.7%上昇したことを指摘。これは5年で最も早いペースで、日本がデフレ脱却した証拠だと報じた。

 また、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーとUBS AGは、第2四半期のGDPが上方修正されると発表した。

 ブルームバーグは、今週ロシア・サンクトペテルブルクで開かれるG20サミット(主要20カ国首脳会議)の議題でもある、日本の財政強化の兆しがある一方、消費への打撃は経済を縮小させる可能性があると指摘した。

Text by NewSphere 編集部