飲食にかける時間、日本人はフランス人とアメリカ人の間くらい OECDランキング

Rawpixel.com / Shutterstock.com

◆日本は平均的だが、早食いの人は要注意
 アジアの国々では、日本や韓国(1時間45分)が比較的長時間となっている。日本は1時間33分でOECDの平均の1時間35分に近く、29ヶ国中10番目に長かった。最長のフランスと最短のアメリカのほぼ中間程度の時間をかけて食事を楽しんでいる。1食あたり30分以上を費やしている計算だ。

 一方で、極端に短く食事を終えている人は、早食いの可能性があるかもしれない。早食いは健康に悪影響を及ぼすことがある。特に、早食いの習慣がある人は肥満になりやすいことが疫学調査で明らかになっている。日本の厚生労働省のウェブサイト『e-ヘルスネット』によると、食べる速さとBMIの関連を分析した調査では、早食いの人はBMIが高い傾向にあることが示されている。

 厚生労働省は、しっかり噛んで食べることを推奨している。十分に咀嚼することで、満腹感が得やすい、視床下部から食欲の抑制ホルモンが分泌される、代謝が活発となる、薄味・少量でも満足感が得やすくなる、といった利点があり、肥満の解消や予防につながるという。

 早食いをやめるためには、日本肥満学会は、「肥満症診療ガイドライン」のなかで、食事中に一口ごとに30回噛むことを心がける「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を提唱している。この方法は、肥満対策の一環として行動療法の一部に位置づけられている。

 たっぷりと食事の時間を取ると、気持ちにゆとりをもって味わえるだけでなく、よく噛むことで健康上のメリットを得やすくなるようだ。

次は 「料理のおいしい国ランキング」トップ20 日本は2ランクアップして…

Text by 青葉やまと