2500年前のミイラ、報道陣の前で公開 エジプトで木棺59基発見

Mahmoud Khaled / AP Photo

◆今後も続々発掘の可能性 「大発見の始まり」
 木棺には装飾が施されており、身分の高い人のために造られたことをうかがわせる。米AP通信(10月4日)は、考古最高評議会の評議員による解説を伝えている。それによると発見された棺は、エジプト末期王朝の神官や高官、権力階級の人々の遺体を納めるために造られたのだという。ほかにもサッカラの埋葬地で崇められたプタハソカル神の彫像28体や、入念な装飾が施されたネフェルトゥム神の像などが発見されており、故人が手厚く葬られていたことをうかがわせる。

 カナダのグローバル・ニュース誌(10月5日)は、エジプト文化省の外郭団体である考古最高評議会のモスタファ・ワゼリ評議員のコメントを紹介している。氏は木棺が「完璧な状態」で発見されたと述べ、「この発見に我々は非常に喜んでいる」と歓迎した。古代エジプトからの思いがけない遺物を「当該世紀からの贈り物である」とも表現し、時代を超えた木棺の出現に興奮を隠さない。

Mahmoud Khaled / AP Photo

 木棺の保存状態は良好で、未開封の状態で発見されている。同所では数週間前に13基の木棺が発見され、継続して調査が行われていた。今回の発見で木棺は計59基に達したが、アナニ観光考古相は「これは大発見の始まりであると捉えている。今日で終わりではない」とコメントし、今後さらに大量の棺が発見されるのではないかとの期待を示している。

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Text by 青葉やまと