史上最多マンモスの骨、メキシコで出土 「天然の罠」に捕われたか 絶滅の謎解明に一歩

Marco Ugarte / AP Photo

◆良好な保存状態 その秘密は
 米カリフォルニア州で環境コンサルタントを務めるアシュリー・リージャー氏はAPに対し、自然死を遂げた動物の骨が今回のように大量に出土することは非常に珍しいとコメントしている。さらに今回出土した骨は、太古の昔の動物のものでありながら、保存状態がきわめて良好だ。骨が良好な状態で保存されるためには、酸素との接触を絶つことが必須となる。空港の建設現場で発掘されたマンモスたちは、かつて広がっていた沼地で力尽き、そのあとで急速に沼の奥深くに沈み込んだと推察される。泥によって空中の酸素との接触が遮断されており、それが骨の保存の一助となったようだ。マンモス絶滅からすでに数千年が経過しており、整った状態で発掘される骨は非常に貴重なものだ。

 ちなみに、人間はときにマンモス狩りをしてきたことが判明している。しかし、今回サンタルシア空港で発掘されたマンモスについては、人間に狩られたことを示す証拠は現時点で見つかっていない。あくまで事故として沼地にはまり、そのまま飢えた、ないしは溺れたという見方が濃厚だ。一方で、人間がマンモスを沼地に追い込み、地形を罠として利用したという可能性は残されている。現場からほど近いトゥルテペックの街の近郊で以前、マンモス用の落とし穴が発見されている。サンタルシア空港の沼地においても、何らかの形で意図的にマンモスを追い込んでいた可能性は十分に考えられそうだ。

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Text by 青葉やまと