インド、落雷で毎年2000人以上死亡……犠牲者が多発する理由
◆モンスーンがもたらす恩恵
しかし、モンスーンは洪水や落雷を引き起こし、インドにとっては頭が痛い気象現象かといえば、まったくその逆である。インドでは水不足が深刻化している。モディ首相が公式ツイッターなどで昨年、水不足から国民に節水の喚起も呼びかけていたほどだ。
国際経営開発研究所(IMD)からの公表データを受けてジェトロ(日本貿易振興機構)がまとめた『地域・分析レポート』(2019)によれば、「インドでは年間降水量の75%以上が6~9月の4ヶ月間にもたらされる。他方、それらの時期を除けば降水量が少なく、多くの地域で雨の降らない日が続く」。国内は「農業セクターが水消費量の約8割を占めるとされるが、灌漑インフラが十分に整備されていない地域も多く、降水量の多寡はダムや河川などを介しての水の供給に大きな影響を与える」という。
つまり、モンスーンはインドに命の水をもたらしてくれる、インドには必要不可欠なものでもあるのだ。