中国・三峡ダム崩壊説が再浮上 記録的大雨で不安高まる

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 人権の面でも批判があった。ダム湖を作るため、湖北省と重慶市の140万人以上の住人が強制移住させられたが、2008年3月7日付のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によれば、開県(現在の開州区)では補償の少なさを理由に立ち退きを拒否する住人が4000人以上いたという。地元自治体は上からの圧力に抵抗できず、水道や電気の供給を止め、立ち退きを求めたとされている。経済サイト『アジア・タイムズ・フィナンシャル』によると、当時の中国でも立ち退き問題は相当な論争になったという。

 2019年には、グーグルマップの衛星写真に写っていた三峡ダムが歪んでいるという情報が拡散され、ダム崩壊疑惑が世間を騒がせた。当サイトでも取り上げたが、ロイターなどの大手通信社までが疑惑を報じ、人民日報の姉妹紙のグローバル・タイムズが、中国側が撮影した高解像度の写真を掲載して火消しに回るという事態になった。

◆大洪水で崩壊説再浮上 反中メディア噛み付く
 歴史的に見ても長江の氾濫は珍しいものではないが、今年の洪水の被害はかなり深刻で、世界のメディアが取り上げている。とくに長江の治水が建設の目的の一つであった三峡ダムへの負の注目が再度高まりつつある。

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Text by 山川 真智子