中国・三峡ダム崩壊説が再浮上 記録的大雨で不安高まる

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 中国は、過去70年で最悪の豪雨に見舞われている。長江の中流域にある三峡ダムは、治水、発電、水運の目的で作られた世界最大級のダムだが、中・上流域で降った雨のため水位が増加し、警戒水位を上回る事態となっている。三峡ダムに関しては、以前から不要説、崩壊説などが出ており、今回の豪雨でダムの効果や強度を疑問視する声が再度メディアを賑わし始めている。

◆物議を醸した大プロジェクト 現在も批判続く
 三峡ダムは1994年に着工し2006年に完成しているが、工事前から現在に至るまでネガティブ報道が後を絶たない。科学誌サイエンティフィック・アメリカンは2008年3月の記事で、中国政府は30年間、科学者や環境保護主義者の警告を無視してダムの危険性を否定してきたと述べる。

しかし突然方向転換し、地滑りや環境問題を起こす危険性を認めたとした。同誌は干ばつ、寄生虫による病気、地震の増加などにも懸念を示したうえで環境上の大惨事になるのではないかとし、巨大ダム建設を強く問題視していた。

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Text by 山川 真智子