独フランクフルト空港でマラリア感染、従業員2人死亡 航空機で運ばれた蚊が原因か

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 ドイツのフランクフルト空港で働く従業員2人が、マラリアに感染して死亡した。他にも複数人の発症が確認されており、感染は航空機で持ち込まれた蚊が媒介したと見られている。感染がどのように広がったのか、調査が開始された。

◆フランクフルト空港で6人感染 全員が従業員
 これまでに確認された感染者は6人で、全員が空港の従業員だった。死亡した2人のうち1人は7月初旬に、もう1人は8月中旬に体調を崩し始めたという。フランクフルト市公衆衛生局は、感染した他の4人は病院で治療を受け、現在は危険な状態を脱したと発表している。(ガーディアン紙

 マラリアは蚊が媒介する病気で、主にサハラ以南のアフリカで年間数十万人の死者を出している。おもな症状は高熱、悪寒、震え、頭痛、全身の強い倦怠感や筋肉痛などで、蚊に刺されてから発症するまで、多くの場合は1~4週間程度だという。抗マラリア薬による早期治療で治癒が可能だが、治療が遅れれば脳症や腎障害、重度の貧血などの合併症を起こし、命に関わる事態となる。

◆運ばれてきた蚊が媒介 渡航歴なしで診断遅れる
 今回は感染者のいずれもマラリア流行国への渡航歴がないため、感染源となった蚊が航空機や手荷物に紛れ込んで運ばれ、機内や空港、あるいはその周辺地域で人を刺すことで感染が起きる、いわゆる「空港マラリア」と呼ばれるケースだと見られている。フランクフルト空港を運営するフラポート社では、従業員に情報を提供し、症状が現れた場合は医療機関を受診するよう呼び掛けている。(ドイチェ・ウェレ

 ドイツの国立公衆衛生機関であるロベルト・コッホ研究所(RKI)は、ドイツ国内でのマラリアの症例は通常、海外旅行中に感染した人々によるもので、空港での感染は稀だとしている。そのため、今回のように患者がマラリア流行地域に旅行していない場合は、医療従事者が最初にマラリアを疑うことが少なく、通常よりも診断が遅れることがあると説明している。(CNN

◆欧州で過去にも145件 気温上昇でリスクも
 空港マラリアの記録を目的とした研究によれば、1969年から2024年にかけて欧州で発生した空港および手荷物由来のマラリアの症例は、145件確認されている。そのうち9件がドイツで発生している。ドイツで最後に記録された空港マラリアは2023年で、これもフランクフルト空港での出来事だった。同空港は旅客数でドイツ最大で、ルフトハンザ航空の主要ハブでもあるとCNNは伝えている。ガーディアン紙によれば、フランクフルトと直行便で結ばれているエチオピア、ケニア、ナイジェリア、タンザニアは、いずれもマラリアのリスクが高い、または広範囲で流行している地域だ。

 フランクフルト空港では、どのように感染が広がったのかを解明するため、調査が行われている。フラポート社は敷地内や周辺に捕獲機を設置し、複数の蚊を捕獲した。捕獲された蚊は、ベルギーのアントワープにある熱帯医学研究所で、種類や由来を特定するための検査が行われているという。(CNN、ガーディアン紙)

 フランクフルト市のピーター・ティンネマン保健局長は、公共放送局の取材に対し、「蚊はおそらくすでに死んでいるだろう」と述べ、市民へのリスクは低いだろうと話した。しかし、ドイツの気温上昇により、蚊が長期生存する可能性は高まっているとも述べ、航空機の消毒や蚊の繁殖場所の除去を含む、既存の対策が適切に実施されているかを確認する必要があるとした。(ガーディアン紙)

Text by 山川 真智子