◆意外と簡単だった……システムを破る動画拡散
　ところが、この最新ゲートを楽々と通過する動画がTikTok（ティックトック）に投稿され話題になっている。映像では、男性が改札まで歩いて行き、隣の改札に身を乗り出して出口側のセンサーに手をかざすだけで、通り抜けができていた。NPの記者が同じ方法を試したところ、うまくいったという。

　NPの記者は、改札のドアが5秒間ほど開いたままになることを発見。客のなかには、1人分の切符で数人が通過するパターンもあることがわかった。さらに、ベビーカーで通る人の後ろについて、そのまま通り抜けるという手口もあるとしている。

◆罰金も効果ない……システム改修必至か？
　MTAの担当者は、率直に言ってどの都市でも完璧なテクノロジーはないとし、今回の新改札もシステムを改善する道半ばにあるとNPに話している。JFK空港の近くの地下鉄駅では警官が改札を見張っており、違反者には100ドル（約1万5000円）の違反切符が切られたという。

　ちなみに、ニューヨーク地下鉄の運賃は2ドル90セント（約430円）。この額で100ドル取られる危険を冒す価値があるのかとMTAの職員は話しているが、取り締まりの警官は、次々と通り抜ける人全員を捕まえることはできないと嘆いていたそうだ。MTAと無賃乗車犯の知恵比べは、まだまだ続く予感だ。