誘いを断っても思うほど人間関係に影響しない、研究で明らかに

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◆カップルでも同様 交際期間にも関係なし
 もう一つの実験では、「カップル調査」として160人とその恋人を募集。映画鑑賞やハイキングなど一緒にやりたい活動の招待状をカップルの片方に書いてもらい、パートナーに読ませた。研究者たちは、招待された側には誘いを拒否するように指示。「家でのんびりしたい」などの拒絶の言葉を欠かせ、相手に読ませた。

 この実験でも前出の実験と同じ現象がみられ、付き合いの長さに関係なく、誘いを断った人はパートナーが傷ついたり怒ったりするだろうと相手が実際に思う以上に感じていたことがわかった。

◆たまには断ってOK! ただし断りすぎは要注意
 研究者たちは、文化的な違いやほかの心理的メカニズムなどの影響により、この研究には限界があるとする。また、すべての人が不要な誘いを受ける必要性を感じているわけではなく、どんなに丁寧に断られても動揺する人もいるかもしれないと述べている。

 しかし、今回の研究は断ることの社会的影響に関する一般的な誤解に光を当て、誘いを断ることは人々が考えているほど人間関係に悪影響を与えない可能性があることを示唆した。

 ホリデーシーズンなどは多くの誘いを受けることがあるが、出席することで疲れ切ってしまうぐらいなら、断ることをためらうべきではないと研究の筆頭著者、ジュリアン・ギヴィ氏は述べる。ただし、一緒に時間を過ごすことで人間関係を発展させるということは心に留めておくべきで、すべての誘いを断ることは問題だとしている。

Text by 山川 真智子