広がる「禁酒の1月」 フランスは政府の消極姿勢がネックか

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 世界各地で広まる「ドライ・ジャニュアリー(1月は禁酒)」の動きがフランスでも普及しつつある。一方で、マクロン政権はこの動きを支持する姿勢は見せておらず、依存症の専門家らの呼びかけが続いている。

◆イギリス発のドライ・ジャニュアリーの運動
 ドライ・ジュニュアリー(Dry January)は、クリスマスと年末の時期はお酒を飲む機会と飲酒量が増えるため、1月は丸1ヶ月禁酒しようと呼びかける動きで、2013年にイギリスの慈善団体であるアルコール・チェンジUKが公式なキャンペーンとして開始した。同団体は、アルコールがもたらす害に関する調査、行政への働きかけ、啓蒙活動を行う団体で、ドライ・ジュニュアリーの呼びかけのほかに、毎年7月にアルコール意識向上週間といったキャンペーンも実施している。タイムの記事によれば、昨年はアルコール・チェンジUKのウェブサイトで少なくとも17万5000人が参加を表明した。また同年、アメリカの成人(約2億6000万人)の15%が、キャンペーンへの参加を表明したとのことだ。

 1ヶ月という決して長くはない期間の禁酒チャレンジだが、2018年に実施されたサセックス大学の調査結果によれば、長期的な便益も含めた効果が示されている。2018年にドライ・ジャニュアリーに参加した800人を対象とした調査の結果、キャンペーンの参加者は8月の時点でも平均飲酒量が減っていることがわかった。具体的には1週間のうちの飲酒頻度が4.3日から3.3日へと減少。飲酒日の飲酒量も減った。また、禁酒を実施することで、88%の参加者が節約し、82%がアルコールとの付き合い方を見直し、7割が健康状態や睡眠が改善したと回答している。

Text by MAKI NAKATA