今年の英単語「オーセンティック」と「リズ」の共通点とは
アメリカの辞書出版大手のメリアム・ウェブスターが選ぶ今年の単語に「オーセンティック(authentic)」が選ばれた。一方、イギリスのオックスフォード大学出版局が選んだのは「rizz(リズ)」。2つの単語が示す、個の重要性とは。
◆AI時代のオーセンティック
11月末、英語辞書などを展開するアメリカの老舗企業メリアム・ウェブスターが選ぶ今年の単語はオーセンティックであると発表された。AI(人工知能)、セレブリティカルチャー、アイデンティティ、SNSといった話題や会話が盛り上がり、オーセンティックという単語の検索数が伸びたとのことだ。オーセンティックには複数の意味がある。一つは、偽もしくは模倣ではない、つまり本物と同義としての意味。そしてもう一つは、自分自身のパーソナリティ、精神、性格に正直であるという意味だ。
メリアム・ウェブスターはオーセンティックが使われるいくつかの文脈について解説する。たとえば、国や個人のアイデンティティの文脈。オーセンティックは、日本食などのように料理と結びついて、その正統性を形容するために使われることも少なくないが、昨今は、オーセンティック・ボイス(声)やオーセンティック・セルフ(自分)などというようにも使われる。たとえば、セレブリティ歌手のテイラー・スウィフトのオーセンティック・ボイスとは、偽りのない自分自身の声(意見)というような意味だ。それはオーセンティック・ボイスを発信する本人にとって重要であるだけでなく、ほかの人やオーディエンスとのつながりを構築する上でも重要だ。
オーセンティックは、生成AI技術の進歩と普及によって、リアルとフェイクの境界線が曖昧になっているという時代の文脈を象徴的に表す単語でもある。ブランド企業、SNSのインフルエンサー、そしてセレブリティなど皆が目指しているもの。それがオーセンティックであるとメリアム・ウェブスターは解説する。
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