娯楽用大麻、米国の約半数の州で合法化 その利点とリスクとは

オハイオ州の住民投票への投票を呼びかける人々(11月2日)|Carolyn Kaster / AP Photo

 日本では法律で禁止されている違法薬物、大麻(マリファナ)。一方、アメリカでは連邦レベルでは違法だが、各州で現在急速に合法化が進んでおり、大麻に対する人々の許容度も年々上がってきているのが現状である。7日には中西部オハイオ州で、中絶の権利とともに大麻の娯楽利用に関する住民投票が行われ、賛成票多数で可決。同州は大麻の娯楽使用を合法化した24番目の州となった。州民の57%が賛成票を投じ、特に都市部で合法化の支持者が多い結果となった。

◆現在は全米24州で合法化
 オハイオ州では今回の住民投票の結果、21歳以上の州民は大麻を合法的に栽培、使用、売買することが可能となった。法律は住民投票が行われた7日の30日間後に施行される。同州では医療用大麻は2016年より合法化されており、今回の住民投票では娯楽用の法改正が問われていた。

 オハイオ州で合法化されたことで、アメリカ国内の約半分の州で大麻の娯楽使用が認められたことになる。口火を切ったのは西部のワシントン州とコロラド州で、両州とも2012年に大麻の娯楽使用が合法化された。現在はほかにカリフォルニア州やニューヨーク州、ニュージャージー州、イリノイ州など、主に民主党勢力が強い州で合法化が進んでいるが、なかにはアラスカ州やミズーリ州、モンタナ州のように保守的な傾向が強い一部の州でも合法化されていることから、今後はほかの保守的な州でも同様に住民投票による合法化が進んでいくと予想される。

Text by 川島 実佳