小児性愛の神父が手がけたステンドグラス、撤去めぐる動き フランス

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 今世紀に入ってから、世界的に、聖職者による児童への性的虐待が明るみに出ることが増えた。近年小児性愛者であったことが判明した一人、フランスのリブ司祭(故人)は芸術の才能に長けており、絵画やステンドグラスを手がけた人物だ。その児童虐待が明らかになった今、被害者らは同司祭の「作品」撤去を求めている。

◆小児性愛の被害者は推定33万人
 仏カトリック教会内での性被害というスキャンダルが現れたことを受け、仏カトリック教会は2019年2月に「教会における性的虐待に関する独立委員会 (CIASE)」を設置し、調査に乗り出した。

 2年半に及ぶ調査の末、2021年10月5日に公表された最終報告書によれば、フランスでは1950年以来、少なくとも33万人の未成年者が被害に遭ったとみられる。加害者については、過去70年間にカトリック教会に属した司祭や修道者計11万5000人のうち2900~3200人が小児性愛者だったと推定された。(シュッド・ウェスト紙、3/9)

◆「教会のピカソ」の素顔
 そのうちの一人、リブ司祭(1920-1994)の告発は2021年夏から始まり、2022年1月には仏カトリック教会が公的に同司祭の児童への性的虐待を事実と認める声明を発表するに至った。

 フランス南東部で活動していたこの神父は、キュビスム的作風と色使いの鮮やかさから、「教会のピカソ」と呼ばれていた人物だ。絵画やステンドグラス、十字架の道行き(14場面からなる絵や彫刻で、ほぼすべてのカトリックの教会内部に掲げられている)を手がけるほか、赴任地域の子供たちを集めてアートの教室なども開いていた。(フランス3

 被害者らの証言によれば、このアート教室の活動などを通して、子供らに性的虐待を働いていた。

Text by 冠ゆき