アジアから来たカメムシにフランス悲鳴 欧州で大量発生
◆カメムシによる被害
マラリアやデング熱を媒介する蚊や、人を刺す恐れのあるハチとは違い、カメムシは基本的にはヒトに直接の害をもたらすわけではないが、その悪臭が体調不良を引き起こしたり、分泌物が皮膚炎の原因となることもある。
だが、何よりも深刻なのは農作物への被害だ。特に果物の汁を好んで吸うため、フランスではりんご、梨、桃、キウイフルーツ、ヘーゼルナッツなどへの被害が心配されている。
◆欧州に元からいるアオカメムシとの違い
アジアのカメムシ侵入以前から、欧州にも別種のカメムシが生息している。最もポピュラーなのは、アオカメムシの一種であるグリーンシールドバグ(学名:Palomena prasina)だ。リンゴと梨の栽培業者によれば、このアオカメムシの攻撃を受けた果物は、変形こそするがまだ売り物として通用する。だが、アジアから来たクサギカメムシの攻撃を受けると果物は内部までダメになり、売り物にはならないのだという。(フランス3)
実際、すでにイタリアのヘーゼルナッツはかなりの被害を受けており、ヘーゼルナッツのペースト、ヌテラ製造への影響を懸念する報道も流れている。というのも、ヌテラは、イタリア産とトルコ産のヘーゼルナッツを主な原材料としているが、すでにイタリア産があてにならない状況で、先ごろトルコでもアジアからのカメムシの侵入が確認されたのだ。(同)