酔っ払い鹿が出没…フランスの「春ならではの危険」

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 今年はいつもより遅れて春が訪れたフランス。ようやくさまざまな花が咲きそろう季節となり、花による中毒への注意喚起を目にするようになった。いったいどんな花が中毒を引き起こすのか? そのほか、春ならではの事故の危険性を紹介する。

◆可憐なスズランの危険な毒
 フランスでは毎年5月1日、幸運を祈って大切な人にスズランの花を贈る風習がある。木々の根元にひっそりと咲く可憐な姿と甘い香りは、誰にも喜ばれる。だが、その見かけによらず、スズランには複数の有毒成分が含まれる。万が一、摂取してしまうと、特に消化器官や心臓に悪影響を及ぼし、時には死に至ることもある。有毒成分は花、葉、実、根のすべて、また花瓶に挿した後の水にさえ含まれる。

 スズランを食べる人などいないと思うかもしれないが、小さな子供や犬猫などのペットが口にする事故がフランスでは毎年約100件発生している。また、スズランの花束は小さいため花瓶ではなくコップに挿す人が多く、スズランを取り出した後のコップの水を誤って飲んでしまうケースも耳にする。

◆「アカシア」の天ぷら
 5月から6月にかけて咲くアカシアの花は、いわゆるエディブルフラワーの一つで、日本と同様フランスでも昔からてんぷらにして食べられてきたものだ。

 ところが、このところアカシアと間違えてキングサリの花を食し中毒を起こすケースが増えているという。ボルドー病院が5月11日にインスタグラムで注意喚起を行ったように、アカシアの花は食用になるが、キングサリの花は有毒なのだ。アカシアの花は白であるのに対し、キングサリの花は黄色なので、間違えないように気をつけたい。また、同病院が指摘するように、アカシアの花は食べられるが、葉は食べられないということも心に留めておきたい。

Text by 冠ゆき