英、電子たばこへの切り替え推奨…100万人に無料キット 妊婦への禁煙支援も

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◆喫煙中の妊婦には金券支給
 2021年時点のイングランドにおける喫煙率は13%と過去最低を記録した。しかし、イングランドにおける妊婦の喫煙率は9%と依然高い。そのため、喫煙中の妊婦に対して行動支援に加え、金銭的なインセンティブを提供することで、今年末までに禁煙を目指すという。詳細は未定だが、妊娠中にバウチャーが利用でき、計画が完了する時点で最大400ポンドになる予定。

 保健省が昨年6月に公表したイングランドでの2030年までのスモークフリー目標達成に関する評価報告書によると、さらなる対策を講じなければ、目標は7年では達成できないと警告。新たな対策として、ビーチやビアガーデンといった屋外での喫煙禁止などの対策を推奨した。たばこの代替品として電子たばこの普及を推奨しつつも、電子たばこは「まったくリスクがない」わけでないとも指摘している。(BBC)

◆子供の電子たばこ喫煙者増加 違法販売取り締まり強化策も
 政府は成人喫煙者による紙たばこから電子たばこへの転換を奨励したい一方で、子供たちの間で電子たばこが浸透していることも懸念している。国民保健サービス(NHS)の統計によると、中学生の9%、15歳の18%が定期的または時折電子たばこを使用している。この問題の対策として、18歳未満への電子たばこの違法販売の取り締まりの強化も計画に盛り込んだ。たばこの有害性を訴える非営利団体「アクション・オン・スモーキング&ヘルス(Ash)」の調査によると、11歳から17歳の電子たばこ喫煙率は、2021年の3.3%から2022年の7%に増加した。

Text by 中沢弘子