アメリカが「1年中夏時間」になる? 法案が再提出
アメリカの大多数の州では例年通り3月第2週目の日曜日、今年は12日に夏時間が始まり、時計の針が1時間早められた。日本人にとっては不思議なシステムである夏時間は、日中時間を長く有効に使うため3月から11月まで時間を1時間早めるというものだ。このシステムはヨーロッパで使われたのを皮切りに、アメリカでも第一次世界大戦中に鉄道の燃料節約のために採用され始めた。現在では夏冬の日照時間の差が比較的短いハワイ州、およびアリゾナ州の一部を除き、首都ワシントンを含む全米で採用されている。
しかし年に2回時刻を変え、それに合わせて起床時間や就寝時間を調整するのは面倒で、恒久的な夏時間、つまり標準時間採用に対する支持はいつも存在していたようだ。CNNによると、1974年1月に当時のニクソン大統領の下で夏時間を1年中利用する法律が施行されたものの、フロリダ州で同年、まだ暗いうちに登校しようとした児童の交通事故が多発したため学校が登校時間を遅らせることになり、ついにその年の10月にこの法律は廃止されてしまった。つまりアメリカで今でも夏時間が採用されているのは、外が暗いか明るいかというだけの理由のようだ。しかしここに来てまた夏時間恒久化法案が注目を集めている。
◆上院では全会一致で標準時間採用支持
NBCニュースによると、この標準時間採用法案は「サンシャイン・プロテクション・アクト(日照保護法)」と呼ばれるもので、フロリダ州選出のマルコ・ルビオ上院議員により昨年提出され、上院議会では全会一致で承認された。しかし下院では審議にかけられず、会期が終了し廃案となった。下院を通過していれば全州(夏時間を採用していないハワイ州を除く)で夏時間が標準時間として恒久化していた。
ではなぜ今になって標準時間がプッシュされているのだろうか? この法案を3月初めに再提出したルビオ上院議員は「年2回時刻を変えるという慣習はばからしいし、時計を固定することに関しては両党と国民の支持を圧倒的に得ている」と述べている。ばからしいか否かは別にしても、確かにこの慣習は「過去の遺物」であり、テクノロジーが発展した現代においては、その元々の理由であった燃料節約には役立っていないのかもしれない。2011年の研究によると、インディアナ州の家庭では時刻を変えることにより、かえって光熱費が合計で年間900万ドル余分にかかったという。
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