なぜ男性は心の問題に1人で闘うのか? 「二重の危機」に苦しむことに

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 メンタルヘルスに悩む男性は予想外に多い。ある調査では、回答した男性の半数近くがうつを抱える危険域に入っていたとも報告されている。特に男性の場合、気丈に振る舞わなければならないという意識があだとなり、解決の糸口であるセラピーを避けてしまう現状があるようだ。

◆男性のうつ病診断率は女性の約2倍
 一般的に男性は、女性よりも精神面での問題を溜め込みやすい傾向にある。ニューヨーク・タイムズ紙(以下「NYT」)は、うつ病の診断率が男性では女性の約2倍に達すると報じている。また、自殺者の80%近くが男性となっており、特にブルーカラー労働者の割合が高くなっているという。

 カナダでは、さらにショッキングな数字が報告されている。昨年10月にカナダで実施されたメンタルヘルス調査の結果によると、18歳以上の男性からなる回答者の半数近くが、うつ病の可能性が高いとされる閾値を超えている状態だったという。また、働くカナダ人男性の3人に1人が、少なくとも週に数回、自殺や自傷を考えたことがあると回答している。このように、男性の自殺は無視できない問題となっている。

Text by 青葉やまと