哺乳類に広がる鳥インフルH5N1、ヒトへのリスクは? WHO「備えなければいけない」

Martial Trezzini / Keystone via AP

◆過去のヒトへの感染、致死率は50%以上
 WHOのテドロス事務局長は、「1996年の出現以来、H5N1のヒトへの感染も、ヒトとヒト間での感染も稀で非持続的なものだ」とするが、「今後もその状況が続くとは限らないため、現状変化に備える必要がある」と説く。


 実際、1997年に香港でヒトがH5N1に感染し18人中6人が死亡する事例があった。その時はヒトからヒトへの感染はなく、それ以上広がることはなかったが、2003年末からの再流行で再びヒトへの感染も起きている。その数は2019年4月までで860例、そのうち亡くなったのは454人だ。

 予防の第一歩として、WHOは「野生動物の死骸に触らず、地元当局に知らせる」ことを推奨している

Text by 冠ゆき