2025年に「たばこゼロ」目指すニュージーランド、若者の紙たばこ購入を生涯禁止

Anton Watman / flickr

 2025年までにたばこフリー社会の実現を掲げるニュージーランド。未成年者の喫煙問題が深刻化していることを受け、政府は世界発のたばこ規制法を成立させた。2009年以降に生まれた人へのたばこ販売を生涯にわたって禁止するというユニークな法律だ。その法律とは……。

◆喫煙年齢の引き上げ
 ニュージーランドは、2009年1月1日以降に生まれた青少年への紙たばこ販売を生涯禁止する法案を成立させた。世界発の珍しいたばこ規制法になる。紙たばこの喫煙可能な年齢は、現在は18歳以上だが、段階的に引き上げられることになる。

 同国のアイシャ・ヴァーラル副保健相は議会で、「喫煙が原因のがんや心臓発作、脳卒中などの病気の治療に数十億NZドルを費やす必要がなくなる」「次世代の若者によりよい健康を残すことができる」と述べた(AP、12/13)。一方、野党ACT党は、街角の商店が廃業に追い込まれ、闇市場ができると同法案に反対していた。

◆違反者には罰金も
 同法には、紙たばこ販売認可店を現在の約6000店から600店に2023年末までに縮小することや、紙たばこに含まれるニコチン濃度を抑えることも盛り込まれた。

 違反した場合、罰金最高15万NZドル(約1300万円)が科せられる。若者に人気の電子たばこ(VAPE)は対象外になっている。23年より施行される。

Text by 中沢弘子