なぜ『ひまわり』を攻撃したのか? 「エコ活動」団体の主張とは
10月14日、英国の過激派環境活動団体のジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)に所属する2人の活動家が、ロンドンのナショナル・ギャラリーにある、ゴッホの有名な『ひまわり』の絵画をトマトスープで攻撃するというプロテストを行った。ガラスで保護されていた絵を攻撃した意図とは。
◆有名絵画を狙った「エコ・テロリズム」
ゴッホの絵画にスープをかけるという行動に出たのは、ジャスト・ストップ・オイルの活動に参加する21歳のフィービー・プラマー(Phoebe Plummer)とアナ・ホーランド(Anna Holland)だ。2人は「Just Stop Oil」のレターロゴとガイコツのような団体のロゴマークが大きくプリントされた白いTシャツを着て、ゴッホの絵画の前に静かに現れた。そして、それぞれ缶入りのトマトスープを絵画に投げつけた後、手に強力接着剤を塗って、自らを絵画の周りの壁に貼り付けた。その後、膝をついた姿勢で聴衆に向けて、メッセージを訴えた。その様子は、1分半ほどの動画に収められている。スープを投げてから約1分で警備員と思われる人が到着し、ほどなく動画は終了となった。
同団体は本件についてプレスリリースを発表。この事件の2週間前から続けてきた、英国政府に対する石油・ガス関連の新規プロジェクトの中止要求のプロテストに関連する行動として、2人が絵画にスープを投げたと説明。プロテストを行ったプラマーは、「命よりも、食料よりも、公平さよりも、芸術が大事なのか?」と唱え、石油価格の高騰が人々の生活を圧迫している、気候変動によって多くの人々が命を失っているなどといった主張を叫んだ。
2名はその後、警察に逮捕された。同日、警察はジャスト・ストップ・オイルのプロテストに関連して28人を逮捕した。
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