「永遠に残る化学物質」を学生服から検出 発がん性指摘のPFAS 北米調査

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 家庭用品やアウトドア服などに使用されている「有機フッ素化合物(PFAS)」。水や熱に強く、汚れにくい性質を持つが、同時に人体や自然界に蓄積し分解されにくい性質から「永久に残る化学物質」といわれている。健康に有害な化学物質として規制する動きが強まるなか、米国・カナダの大学が子供服のPFASの有無を共同調査した。果たして調査結果は……。

◆数百万人の児童 発がん性化学物質に暴露か
 米化学会が発行する「エンバイロメンタル・サイエンス&テクノロジー(Environmental Science & Technology)」誌に9月21日に公表された調査研究によると、米国とカナダの学校の制服から人体に有害な影響を及ぼす「有機フッ素化合物(PFAS)」、通称「永久に残る化学物質」が検出された。制服をほぼ毎日着用している数百万人の生徒が、発がん性の化学物質に暴露している、という衝撃的な研究内容が明らかになった。

 人工的に作られたPFASは、消火器をはじめ、テフロン加工のフライパンや化粧品、撥水加工のアウトドア服などさまざまな家庭用品に使用されている。PFASに日常的に暴露することで、発がん率の増加や甲状腺疾患、免疫抑制、生殖能力の低下、低出生体重児に関係していることが次第に証明されている(ニューヨーク・ポスト紙、9/21)。

Text by 中沢弘子