ヒジャブ焼き、髪切り抗議 道徳警察に逮捕された女性の死、イランの人権問題に火
イランの道徳警察に拘留されていた22歳のマーサ・アミニが16日に亡くなった。多くの人は警察による暴力が原因と考えており、現在抗議運動は日に日に激しさを増している。
◆マーサ・アミニの不可解な死
イランのテヘランにて、ヒジャブ(頭を覆うスカーフ)で髪が十分に隠れていないという理由で、22歳の女性マーサ・アミニが13日、道徳警察に逮捕された。マーサはその後病院に運ばれ、3日間の昏睡状態を経て16日に亡くなった。
その間何があったのかは明らかになっていない。目撃者によれば、13日に道徳警察のバンに乗せられるとすぐにマーサは殴打された。また、マーサの兄弟は、マーサが病院に運ばれたのは警察に連行されてから2時間も経たないうちだったと述べている。病院の中から悲鳴が聞こえたという証言も複数あり、病院で殺人が行われたという声まで出ている。(フランス・アンフォ、9/19)
一方、警察の説明は「逮捕後、突然マーサに心臓の問題が起き、すぐに病院に運ばれたが亡くなった」というものだ。さらに、マーサと思しき女性が警察の構内で倒れる様子を映したビデオを公開し、警官とマーサには「物理的な接触はなかった」と主張した。(フランス・アンテール、9/18)
17日にはアフマド・バヒディ内務相が「マーサは明らかに以前から健康の問題を抱えて」おり、「5歳の時には脳手術を受けた」と発言したが、マーサの父親はこの情報を否定している(シュッド・ウェスト紙、9/19)。