デング熱感染者、世界各地で増加報告 雨季にさらなる警戒
◆雨季にはさらなる警戒
ベトナムでは、1月から6月で8万9120人ものデング熱感染者を記録した。昨年同期の3万5936人から148%増加したことになる。死者も34人と、昨年同期の3倍を記録した。ベトナムでは毎年デング熱感染者を約11万人数えるが、通常その感染ピークは6月~10月だ。今年は7月頭の時点ですでに9万人近い感染者が出ており、同国保健省も医療機関も警戒を強めている。(ロイター、7/14)
デング熱は、ウイルスを保有する蚊に刺されることで感染するため、通常蚊の増殖する季節(夏や雨季など)が感染の多い時期となる。ベトナムだけでなく、フィリピンやタイ、カンボジア、ミャンマーにおいても雨季は5、6月~10月にあたるため、まだまだ警戒が必要だ。
◆気候の変化やコロナ治療が影響?
今年上半期にすでに多くの感染者を出したことについて、カンボジアでは今年の雨季が通常より早く始まったことを理由の一つに挙げている(ヴィダル)。
また、タイ保健省疾病管理局(DDC)の最高責任者は、デング熱による死亡者が例年より多い理由に、新型コロナ治療の影響があると考えている。「アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、蚊媒介性疾患による死亡例において、重症化を引き起こす要因となる」からだ。(トゥト・ラ・タイランド、3/21)