中国、国産mRNAワクチンの実用化近づく それでもゼロコロナは継続?

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 中国では、新型コロナウイルスの国産メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンが承認に近づきつつある。これまで主に国内で接種されてきたのは予防効果が低いとされる不活化ワクチンだった。国産mRNAワクチンはオミクロン株にも高い効果があるとされ、感染拡大の抑制が期待されるが、実用化されても接種が進まないのではという見方もある。

◆待望の国産mRNAワクチン 従来ワクチンより優秀
 科学雑誌ネイチャーによれば、6ヶ月前に不活化ワクチンを2回接種した成人300人に、ブースターとして「ArCoV」と呼ばれるmRNAワクチンを接種する試験が行われた。その結果、オミクロン変異株を標的とする中和抗体(ウイルスが直接細胞へ侵入するのを防ぐことができる抗体)のレベルが、シノバック社の不活化ワクチンのブースター接種後と比較し、4倍高いことがわかった。この試験は5月31日にプレプリントとして発表されたもので、査読はされていない。

 ArCoVが正式な承認を受けられるかどうかは第3相試験の結果次第だが、承認されればコロナの標準的なワクチン接種プログラムの一部として、またはブースターとして使われるかもしれないと香港大学の疫学者、ベン・カウリン氏は述べている(ネイチャー)。

 中国では上海の製薬会社がファイザー製ワクチンを輸入販売する契約を結んでいたが、政府の認可は出ていない。専門家は政治的な理由である可能性が高く、中国政府はおそらく最初のmRNAワクチンが国産となることを望んでいると見ている。(同)

Text by 山川 真智子