米FDA、オミクロン株「BA.4」「BA.5」対応ワクチンを開発するよう推奨 秋冬の流行に備え

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◆急速な進化に追いつかない? 政府の資金も不安
 しかしワクチンメーカーはウイルスの急速な進化についていくのに苦労しているとCNBCは述べる。ファイザー社とモデルナ社は、BA.1をターゲットにしたワクチンを開発し臨床試験データを発表しているが、BA.4とBA.5にはあまり効果がなかったという。

 さらにアメリカでは秋に新しいワクチンを用意するための時間と資金も不足している。ワクチンメーカーがBA.4とBA.5に対応できるワクチンを開発するのにどのぐらいの時間がかかるかは不明だ。FDAはこれらの変異株の臨床試験を開始するよう各社に要請したというが、ワクチンメーカーがあと3ヶ月で製造できたとしても、全員分のワクチンを購入できる資金がない可能性があるという。米議会は秋のワクチン購入のための資金拠出を可決しておらず、バイデン政権は高齢者などハイリスクの人だけに絞った資金拠出になるかもしれないとしている。政権はほかのパンデミック対応のための資金の一部を流用して、ワクチンメーカーとの交渉を開始したとCNBCは報じている。

◆変異は予測困難 それでもアップデートは必要
 ヤフー・ニュースは、新型コロナワクチンの接種において変異株を追いかけることが将来的に最も効果的、効率的なアプローチであるとは言えないとする。カリフォルニア州サンディエゴの研究機関スクリップス・リサーチの創設者エリック・トポル氏は、新しいブースター用ワクチンが利用できるようになるころに、どれが優勢な株になっているかは誰にもわからないと述べている。

 FDAの諮問委員会のアーノルド・モント委員長も、過去に目を向けてもウイルスの将来の見通しにはあまり役に立たないとし、予測はほとんど無意味になっていると述べる。しかし秋までに完全に適合させられなくても、ワクチンをアップデートして最新の変異株に近づけることは、より長期にわたって人々に強い防御を与えることができると考える専門家もいる。また複数のウイルス株を含めることで、将来発生するであろう変異株に対してのより広い防御になるという期待もあるということだ。(ABC

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Text by 山川 真智子