「教師に銃を持たせて子供を守ろう」米の一部州で動き加速 相次ぐ銃撃事件受け

事件のあったロブ小学校で祈りをささげる男性(6月9日)|Eric Gay / AP Photo

◆教師や保護者ら 学校へ銃持ち込みに反対
教師による銃器携行について、テキサス州の教職員の労働組合「テキサス州教師米国連盟(TAFT)」は教職員と保護者5千人以上を対象に意識調査を実施した結果、76.7%が「教室で銃を携行したくない」と回答した(インサイダー 6月10日)。テキサス州はすでに教師による銃器携行を法制化している。オハイオ州の教職員らも「パンデミックや“文化戦争”(人種、宗教など価値観の対立)と次々立ちはだかる問題に対処するためにフロントラインに立っている我々に、今度は武装した侵入者に立ち向かえと言うのか」と不満の声を上げている(ニュース・チャンネル5・クリーブランド)。

オハイオ州ミネルバのある英語教員は言う。「カフェテリアや教室で大きな音が響き渡るたびに銃声と思って、教員は銃の引き金に指をかけて廊下に出る(後略)。子供たちにとって、そういう光景が当たり前になる学校にはしたくない」(74)

学校から銃の暴力がなくなる日は果たして訪れるのだろうか。国内の学校(幼稚園から高校まで)で今年5月までに起きた銃発砲事件は、ユバルディを含め27件に達している(フォーブス 6月2日)。

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Text by 中沢弘子