「サイコパス」はどういう人なのか? 魅力的に見え、特定の職業で活躍も

フランス・パリでの反ロデモ(3月5日)|Andrey Vyrodov / Shutterstock.com

 他人とは異なる利己的な価値観を持った人のことを、サイコパスなどと呼ぶことがある。ウクライナに混乱をもたらしたロシアのプーチン大統領も、思考の異常さからサイコパスなのではと囁かれているほどだ。プーチン氏がそうなのかはともかく、サイコパスとは正式にはどのような状態を指すのだろうか? 正式な病名だと思いがちだが、実はサイコパスは精神医学における正確な呼称というわけではない。

◆正式には「反社会性パーソナリティ障害」
 米ヘルス・ライン誌は、サイコパスという言葉が精神の異常を示す意図でよく使われるとしながらも、これは「正式な診断名ではない」と指摘する。精神科医のプラカーシュ・マサンド博士は同誌に対し、一般にいわれるサイコパスは、専門的には「反社会性パーソナリティ障害(ASPD)」と呼ばれるものだと説明している。とくにアメリカ心理学会(APA)では、サイコパスの特徴を示す「サイコパシー(精神病質)」という用語を、「反社会性パーソナリティ障害の同義語(あるいは類義語)」と定義しているという。

 米サイコロジー・トゥデイ誌によると、このような精神病質を持つ人々は文化圏や民族を問わず一定の割合で存在し、平均的には男性のおよそ1%、女性の0.3〜0.7%が該当すると言われている。

Text by 青葉やまと