カナダ料理「プーティン」受難 無関係なのにヘイト対象に

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◆社会不安が拍車をかける? 人種差別
 フランス内務省が3月11日に発表した報告によれば、フランスでは2021年、法執行機関に報告された人種差別的、外国人排斥的および反宗教的な犯罪は、2019年と比べて13%、(罰金などで済む)軽い犯罪行為は26%増加した。これはあくまで届け出がされたものに限られるため、当局も氷山の一角に過ぎないとみている。(20minutes紙、3/11)原因の分析などは明らかにされていないが、パンデミックが引き起こした社会不安と無関係ではないだろう。

 2022年もロシアのウクライナ侵攻以来、世界的にロシア嫌悪の傾向がみられる。日本でもロシア料理店への嫌がらせがニュースになったがフランスでも同様だ。たとえばリール市のロシア料理店「バーバ・ヤーガ」は3月1日、無記名の脅迫状を受け取った(キャピタル誌、3/2)。

 脅迫まではいかなくとも、多くのロシア料理店は顧客の減少を感じているという。またグーグル上で最低評価をつけられ、破壊したウクライナの町の写真を貼られるレストランが増えている。(キャピタル誌、3/4)

 戦争というすでに悲惨な状況が、差別行為のさらなる増加でより悲惨なものにならないことを願いたい。

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Text by 冠ゆき