中国で新規感染5000人超、オミクロン株拡大 各地でロックダウン

都市封鎖4日目の吉林省長春市(3月14日)|Chinatopix Via AP

◆部分的ロックダウンも、通常業務継続が難しい上海
 商業的に重要な都市である上海と深圳でも感染者は急増している。たとえば、上海市では3月11日、無症状含め75名の市中感染者と、入境者のうち42名の感染者が報告された。他国と比べれば決して多いわけではないが、過去2年間で感染者400人死者7名しか記録しなかった上海をパニックに陥らせるには十分な数だったと見える。

 上海市は、学校をオンライン授業に移行し、美術館や音楽ホール、図書館など各種文化施設も閉鎖した。交通機関にも制限を設け、多くの病院が一時的にサービスを停止した。これまで通り、感染者の出たビルや施設はすべて最低48時間は閉鎖され、接触者は14日間、指定場所で強制隔離に置かれる。上海市への出入りも難しくなり、上海から別な自治体へ戻った人は、戻った先で感染テストのための呼び出しを受けている。(SCMP、3/10)

 それでもいまのところ、上海は全面的なロックダウンを避け、ビルごと、地域ごとの小規模封鎖で凌ごうとしているが、現地情報によれば、実際にはオフィスビルに入るために複数の陰性証明書が必要とされたり、住んでいるビルに数十時間も足止めを食らう人が続出したりして、通常通りのオフィスワークが望めない企業が増えている。

Text by 冠ゆき