ワクチン接種後に運動すると抗体が増加 米研究
ワクチン接種、とくに新型コロナウイルス感染症のワクチン接種後は、副反応を警戒して安静に過ごすという人が多いのではないだろうか。しかし、学術雑誌「Brain, Behavior, and Immunity(脳、行動、免疫)」に今月発表された米アイオワ州立大学の研究によれば、抗体を増強するにはワクチン接種後安静にするよりもスポーツをする方が有効だという。
◆ブースター効果は4ヶ月で減少傾向
コロナ禍にある現在、先進国では新型コロナワクチンのブースター接種が進んでいる。遅れ気味の日本においても16%が接種済みだ。ブースター接種は時間とともに低下するフルワクチン接種の効果を文字通り「ブースト」するのが目的だ。
それでも、米疾病対策センター(CDC)の11日の発表によれば、ブースター接種によって高まるワクチンの効果もやはり約4ヶ月で減少し始める。具体的には、ブースター接種2ヶ月後の重症化予防効果は87%、入院予防効果は91%だが、4ヶ月後になるとそれぞれ66%、78%に低下する。
◆90分のスポーツがワクチン効果を増強
アイオワ大学の研究者らが今月、興味深い研究内容を発表した。この研究は2009年新型インフルエンザH1N1、季節性インフルエンザ、Covid-19のファイザー製ワクチンの3つのワクチン接種者を対象に行ったものだ。被験者らはそれぞれのワクチン接種後、軽度から中等度の運動をして過ごすグループと、そうでないグループにランダムに分け、ワクチン接種前、接種2週間後、接種4週間後と3回採血をして抗体レベルを調べたものだ。
その結果、すべての人の抗体レベルはワクチン接種後上昇したが、4週間後の安静グループと45分間運動グループの(抗体)レベルが同程度であるのに対し、90分間運動グループにおいてははるかに高いことがわかった。また、この傾向はいずれのワクチンにもおいても同様で、被験者の年齢による差もなかった。
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