男性同性愛者の献血、仏で全面解禁へ 性交歴の条件を見直し
◆国によって大きく異なる献血条件
HIV感染以外にもあらゆるリスクを回避するため、各国は献血の可否を決めるチェック項目を細かく定めているが、国によってその規定はかなり異なる。
他国と比べ日本が厳しく制限するのは、「海外旅行者および海外で生活した」人の献血だ。たとえばフランスであれば、渡航先とその時点での衛生事情によって入国者の献血の可否が決められるのに対して、日本では渡航先がどこであろうと入国者は入国日から4週間以内は献血ができない。
また、いわゆる狂牛病(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)リスクがあるとして、日本では「英国に1980年から1996年までに、通算31日以上の滞在歴がある」人、「英国に1997年から2004年までに、通算6か月以上の滞在歴のある」人、「アイルランド、イタリア、オランダ、サウジアラビア、スペイン、ドイツ、フランス、ベルギー、ポルトガルに、1980年から2004年までに、通算6か月以上の滞在歴のある」人、「スイスに1980年から今日までに、通算6か月以上の滞在歴がある」人、「オーストリア、ギリシャ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ルクセンブルグに、1980年から2004年までに通算5年以上の滞在歴のある」人、「アイスランド、アルバニア、アンドラ、クロアチア、サンマリノ、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、ノルウェー、バチカン、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニア、マルタ、モナコ、モンテネグロ、リヒテンシュタイン、ルーマニアに、1980年から今日までに、通算5年以上の滞在歴がある」人は献血ができない。
当然ながらこの条件を適用していては、ヨーロッパ人は誰も献血できないことになるので、狂牛病リスクに関するヨーロッパの献血条件はもっと緩やかだ。フランスを例にとると「英国に1980年から1996にかけて通算1年以上滞在した人」だけが狂牛病リスクを理由に献血できないことになっている。(フランス血液機関サイト)
世界的に血液不足が深刻になりつつある現在、献血の可否条件を見直す国はこれからも増えそうだ。
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