1月に社会麻痺の恐れ…仏諮問機関が危惧、オミクロン株拡大で

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◆フランス国鉄は列車の運休
 フランスでは国鉄が従業員不足などを理由に、複数の路線を1月まで運休すると発表した。首都パリは含まないものの、同国南部の西から東にかけてと、北東部、西部、パリ西方など、その影響は広く及んでいる。(20minutes、12/23)

 いうまでもなく、多くの人が家族のもとへ移動するクリスマス時期に欠航や運休を余儀なくされることは、交通機関にとって相当の痛手だ。

◆社会機能を麻痺させる感染力の強さ
 フランスでは、ヴェラン厚生相が22日、今月末までに1日あたりの新規感染者が10万人を超えるとの予測を示しており(ヨーロッパ1、12/22)、ピークアウトまではまだ遠い印象だ。フランスの科学評議会は、このままでは人手不足が災いし、1月には社会のさまざまな分野が機能しなくなるのではと危惧している。つまり感染拡大によって、これまでのように医療機関の逼迫度が高まるだけでなく、交通機関や食料品供給、治安、エネルギー、輸送や通信にも影響が出ると考えているのだ。(20minutes、12/23)

 科学評議会メンバーのゲラン教授は、社会麻痺の事態を避けるには、接触者の隔離期間の見直しなどが必要となると考える(同上)が、感染拡大の助長につながりかねないため、慎重な判断が必要だ。

 いずれにせよ、オミクロン株の感染力の強さは、これまでとは異なる角度から現代社会を突き崩そうとしている。

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Text by 冠ゆき