難民にとって最善の国? ウガンダのオープンな受け入れ政策とは

ウガンダに暮らす南スーダンの難民(2016年11月)|EU Civil Protection and Humanitarian Aid / flickr

 ウガンダは、歴史的に難民受け入れに対してオープンな政策を実施してきた。アフガニスタンからの米軍撤退を受け、今回もアフガニスタン難民、2000名の受け入れを発表している。注目すべきウガンダの難民受け入れ政策とは?

◆世界の難民に関するデータ
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のデータのよると2020年末時点で、迫害、紛争、暴力行為、人権侵害、治安を著しく悪化させるような出来事などにより、強制移動の境遇に置かれた人々は世界に8240万人いるとされる。そのうち18歳以下の子供が占める割合は42%と推定されている。そして、いわゆる難民と呼ばれる人々は2640万人存在する。難民の68%は、シリア、ベネズエラ、アフガニスタン、南スーダン、ミャンマーの5ヶ国からの人々である。アフガニスタン難民は2020年末時点では260万人と記録されているが、今回の米軍撤退とタリバンの復権により、アフガニスタンからの難民の数はさらに追加される見込みだ。

 UNHCRのデータベースで日本の状況を見ると、母国を離れて最終的に日本に再定住した人の人数は、データが取得可能な2009年から2021年現在までの累計で557人。2020年までの12年間の平均は年間46人というデータである。一方、日本の出入国在留管理庁公表のデータによると、2020年の難民認定申請者数は3936人。前年に比べて約62%減少した。そして、難民認定手続の結果,在留が認められた外国人は91人。その内訳は,難民と認定された外国人が47人,難民とは認定しなかったものの人道的な配慮を理由に在留が認められた外国人が44人。難民申請者数における難民認定の比率は1.2%という実績である。

 難民受け入れ問題は、いわゆる先進国の文脈においては政治的なトピックとして利用されがちという状況があるが、受け入れ側のデータをみると、母国から逃れるという選択を余儀なくされた人々の86%を、いわゆる発展途上国が受け入れており、73%が近隣諸国にて生活をしているという状況だ。そして、世界の難民の39%が、トルコ(370万人)、コロンビア(170万人)、パキスタン(140万人)、ウガンダ(140万人)、ドイツ(120万人)の5ヶ国によって受け入れられている。パキスタンとウガンダはほぼ同レベルの数の難民を受け入れているが、人口比率で見ると、パキスタンは難民数の人口比率は0.6%であるのに対し、ウガンダは3.2%である。

Text by MAKI NAKATA