デルタ株流入のNZ、「ゼロ戦略」見直しは不可避?

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 今年2月から市中感染者ゼロを続けていたニュージーランドだが、デルタ株の流入で感染が拡大している。これまで同国は感染者を発見するたびに、大規模な接触者追跡、検査、隔離に加え、ロックダウンで感染の鎖を断ち切ってきた。しかし感染力が格段に強いデルタ株に対しては、同じ戦略では限界だという声が聞かれる。

◆デルタ株ついに到来 ロックダウンで対応
 ニュージーランドでは、デルタ株に感染したと思われる人が発見され、8月17日から全国一斉に3日間のロックダウンに入った。その後感染者が続々と確認され、アーダーン首相はロックダウンを27日まで延長。感染の震源地と見られるオークランドに関しては、31日までとした。24日には新たに41人の感染が判明し、昨年4月10日以来最大の増加を記録している。感染者は合計で148人となった(ロイター)。

 ゲノム解析の結果、オーストラリアからの帰国者が原因であることが判明したという。ニュージーランドでは入国者はすべて隔離されるが、この人物からどのようにしてウイルスが広がったかはまだわかっていないという。感染はオークランドからウェリントンまで広がっていると見られ、感染経路となりそうな場所の調査や濃厚接触者の検査が進んでいる。(英ガーディアン紙

Text by 山川 真智子