◆水路と化した京広ハイウェイトンネル
　北京と広州を結ぶ京広路は、鄭州市の中心近くでは約4kmのトンネル内を走る。このトンネルでは、20日の洪水時、多くの車が渋滞で動けなくなっていた。水が押し寄せ始めた時点での動画と言われるものがSNSで拡散されたが、それを見ると、運転手らはみな車の中や外でのんびり渋滞解消を待っており、逃げようとしている人は皆無だ。これは、政府からも交通局からも何の警告も出ていなかったからとされる。

　最も被害が大きかったトンネルと見られるのが、全長1835mの京広北路のトンネルだ。片道3車線、双方向で6車線のこのトンネルは最深部で高さ約13メートルあるが、たった5分で完全に水没したという。（希望の声、7/24）

◆箝口令？の謎
　洪水後早々、このトンネルでの作業には派遣された人民解放軍が当たることになった。地元の救助隊も、家族親族を探す人々も、メディアもみな締め出された。（希望の声、7/24）

　24日にはそれでも地元民が隠れて撮ったと見られるいくつかの動画がSNSに流出した。それによれば、日中には、黒布をかぶせたバスが複数台トンネルから引き出され、夜間には、長い何かが牽引されてトンネルから出てくる様子が撮られている。また同じく夜間撮られたものに、帆布を被せた緑のトラックが多数映っている。ネット上の反応は、いずれも遺体を運び出すのに用いられたのだと考えるものだ。（大紀元、7/25）

　新京報と澎湃新聞が24日に報じた公式発表によれば、京広路の3つの大きなトンネルが調査され、京広北路のトンネルから見つかった死者はいまのところ4名だけだという。また、このトンネルから最初に運び出された車両は265台で、あとは4、5台を残すのみとされている。（希望の声、7/25）