中国河南省で記録的大雨 ダム決壊、洪水で地下鉄浸水、工場爆発

Chinatopix via AP

◆ダムの決壊と爆発事故
 豪雨は周辺の町にも影響をもたらしている。鄭州市の西方にある洛陽市では、伊河滩(Yihetan)ダムが20日の時点で約20メートル決壊した。堤防の被害は深刻で、ダムには崩壊のおそれがあるという。(自由亜州電台、7/20)

 他方、20日には、大雨が原因とみられる爆発事故も起こっている。場所は鄭州市と洛陽市の中間あたりにある登封市のアルミニウム合金工場だ。グローバル・タイムズによれば、「川から溢れた水が、高温溶液の合金タンクに流れ込み爆発」した。この爆発の威力はかなりなもので、「大きなキノコ雲が発生」(ツイート)。3~4マイル離れた場所でも衝撃で「ガラスが粉々になった」(新浪新聞、7/20)ほどの規模だった。当局の発表によれば、この爆発に関しての死傷者は皆無だということだ(人民日報)。

◆交通網も電気も断たれ予断を許さぬ状況
 中国の気象庁は、河南省の雨は少なくとも21日も続くと見ている(人民日報、7/21)。国営メディアは21日、習近平主席が、河南省豪雨の状況を「非常に深刻で、洪水調整対策が危機的段階に入った」と述べたと報道した(AFP)。実際、高速道路、航空便、鉄道、地下鉄ともに交通網は寸断された状況が続いており、予断を許さぬ状況だ。

 当局の発表は、7省から1800名の消防隊員が鄭州の援護に送られた(人民日報)とか、軍からも救援のために約200人が鄭州に駆けつけた(人民日報)など勇ましいものが多いが、洪水の規模からいって、事態が収束するにはまだまだ時間を要すると思われる。

◆度重なる水害
 中国ではこれに先立ち、内モンゴル自治区でもダムの決壊が起きており、19日までに1万7000人が被災して22の橋が流された。また18日には首都北京でも連日続く大雨による洪水が発生した。昨年は、大雨による世界最大級の中国・三峡ダムの崩壊が危ぶまれたことが記憶に新しい。もはや例外ではなくなった豪雨と洪水。季節とされる夏はまだ始まったばかりだ。

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Text by 冠ゆき