中国河南省で記録的大雨 ダム決壊、洪水で地下鉄浸水、工場爆発

Chinatopix via AP

 中国河南省で先週週末から火曜日まで続いた大雨は、すでに多くの物的被害と、少なくとも12人の死者の原因となっている。さらに、近郊の登封市のアルミニウム工場では、洪水が引き起こした可能性のある大爆発が起こり、洛陽市のダムも決壊の危機に陥っている。

◆観測史上最大の豪雨
 河南省鄭州市は北京から約650km西南、黄河の南側に位置する都市で、人口は約1200万人。ロイター(7/21)によれば、先週末から20日火曜にかけて同市に降った雨量は617.1mmと、同市の平均年間降雨量(640.8mm)にほぼ匹敵する量であった。この豪雨は街に大洪水を引き起こし、地下鉄の駅にも水が大量に流入。SNSなどでは、地下鉄車内に立つ人々の胸元まで水位が上がってくる切迫した状況の映像などが流れた。

 今回の豪雨は、60年前に始まった観測史上最大規模のもので、当局によれば、すでに住民のうち約20万人が避難、少なくとも25人が亡くなっている(AFP、7/22)。上述の地下鉄での犠牲者は12名、けが人は5名との発表だ(AFP、7/21)。だが、SNSには、水の激しい流れに人々が飲み込まれる様子や、溺死したと見られる人が横たわる映像などが複数投稿されており、犠牲者数はさらに膨らむ可能性が大きい。



Text by 冠ゆき