ミャンマー、深刻な感染急拡大 医療崩壊、クーデター影響広範に

ヤンゴンの火葬場の外で待つ人々(7月14日)|AP Photo

 ミャンマーの新型コロナ感染者数と死者数が6月末からうなぎのぼりに増えている。公式発表数値だけでは見えない同国の深刻な状況とは。

◆数値は氷山の一角
 公式発表によれば、人口約5400万人のミャンマーでは、これまでに22万人以上の新型コロナ感染者と約5000人の死者が報告されている。6月末からの増加率は激しく、7月14日にはこれまでで最多の7000人以上の感染者が報告された。しかし、これらの数値は、実は氷山の一角に過ぎないと見られている。検査陽性率が30%を超えているからだ。

 検査陽性率とは、検査数に占める陽性者数の割合で、検査数が足りているかどうかの指標になる。たとえば、18日時点のフランスの過去7日間平均の検査陽性率は2.0%で、海外と比べ検査数が圧倒的に少ないといわれる東京でも、16日時点での過去7日間平均検査陽性率は8.9%だ。

 つまり、ミャンマーの感染状況は、公式数値の何倍も深刻であると考えられる。英ガーディアン紙(7/14)も、同国の検査キットが十分でないことや、村によっては感染テストを可能とする要員も施設もない事実を報じている。

Text by 冠ゆき