マスク義務解除する国と再導入する国 分かれる判断
◆依然としてマスクをつける人も
屋外でのマスク着用義務が解除となった国においても、すべての人が一斉にマスクを外したわけではないようだ。たとえば、接種を受けた後もマスクを着け続けているスペイン・マドリードの59歳男性は、「私自身は守られているとわかっているが、それでも誰かに移してしまう可能性は常にある。だから防御手段をとるに越したことはない」と語っている(ル・モンド紙)。
イタリア・ローマの通りをFFP2マスクを着けて歩いていた20代女性も、インタビューに答え「まだ(パンデミックは)終わったわけでない。予防のために私たちはマスク着用を続けている」と発言している(シアンス・アヴニール誌)。
◆罰則の弊害
フランスの場合、筆者の周りに限って言えば、マスク無しで屋外を歩けることを喜ぶ声の方が多いようだ。これはおそらく、5月19日からレストランやバーの屋外テラスが営業再開したため、屋外でのマスク着用が形骸化していたせいもあるだろう。つまり、レストランへ行く際、車を降りて席に着くまではマスクをつけるが、座ってしまえばマスクを外す、という状況が1ヶ月ほど続き、マスクを無意味に感じるようになった人が多いのだ。なまじ罰則があるせいで、規定に従うことが目的となってしまい、根本理由の「感染予防」が頭から消えてしまった例ともいえよう。
新型コロナウイルスが現代社会を襲って1年半。パンデミック当初はバラバラだったマスク着用効果についての認識も次第に統一されたが、ここにきて、再びその評価は分かれようとしている。
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