マスクきっかけで手術を受ける人が増加、フランス
◆「見た目重視」の社会
美容整形手術にせよ、視力矯正手術にせよ、必要となるのは資金だ。これにもまたパンデミックが影響を及ぼしている。外食や旅行が稀になり、映画や観劇からも遠ざかった生活で、お金に余裕ができた人が増えたのだ。しかもつき合いが減った分、時間もできた。これらの事実も、これまで手術をためらっていた人に、一歩踏み出させる後押しとなったと見られている。
だが、資金や時間よりもっと大きな要因は、見た目重視という社会傾向であろう。精神分析医グランジュアール氏は、「見た目重視の傾向はここ数年圧倒的で、ひどくなる一方だ」と述べ、画像に依存するSNSがその原因の一つだと警告する(フランス・アンフォ)。
確かに、すでにそういう素地があったからこそ、オンライン会議でPCに映る自分の顔が気に入らないからと美容整形に踏み切る人が増えたのだ。この傾向は若い世代でも同様だ。というのも、まだ成長過程にあるティーンエイジャーにさえ美容整形手術の希望者が増え、「医者が思春期の若者の希望を拒否せざるを得ない」ケースも出ているからだ。(フランス・アンフォ)
パンデミックは、見た目を重視する現代人の傾向を加速させたといえるであろう。
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