フランスなど無料の国も PCR検査の値段格差

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 医師に必要と判断されない限り日本ではいまだに高価で受けるのが難しいPCR検査。諸外国の事情はどうだろうか?

◆誰でも条件なく無料のフランス
 RTBF(5/31)によれば、欧州のほとんどの国では、日本同様、症状が出たり接触者とみなされるなど医者が必要と認めたときのPCR検査は医療保険でカバーされる。それでは、それ以外のときはどうか? つまり、症状がなくても自分が感染していないかどうか確かめたい場合、国境を越えるため陰性証明書が必要な場合など、日本でいうところの「自費」検査だ。

 結論から言えば、欧州には、フランス、デンマーク、マルタなどごく少数だが、完全無料でPCR検査を提供する国がある。そのうちフランスは、外国人旅行者もその対象としている(ウェスト・フランス紙、5/17)。

◆欧州各国、大きな値段差
 有料の国のなかで一番価格が低いのは、ラトビアの37ユーロ(約5000円)だ。それに続くのが、平均50~70ユーロ(6600~9300円)で検査を受けられるベルギー、ハンガリー、セルビア、ギリシャ、エストニア、スロバキア、スロベニア、チェコ、アルバニア、ブルガリア、オーストリアなどの国だ。それより少し値段が上がるのが、イタリア(60~80ユーロ:8000~1万円)、リトアニア(70~90ユーロ:9300~1万2000円)。さらに高額なのは、平均100ユーロ(約1万3000円)のスペイン、ポルトガル。また、オランダ、ドイツ、クロアチア、スイスでは、150ユーロ(2万円)かかることもあり、スウェーデン、フィンランド、アイルランド、イギリスでは200ユーロ(2万6000円)台の覚悟が必要だ。(ミディ・リーブル紙、5/25)

 ただし、RTBFによれば、スイスは、住民に30日ごとに検査5回分を無料で提供しており、上に挙げた値段は、国外旅行のために検査を受けるときだけ払う必要がある。また、約200ポンド(約3万1000円)と高額なイギリスにおいても、旅行会社が安価にPCR検査を提供するケースがある。たとえばTUI社を通して予約した旅行客は、20ポンド(約3100円)で検査が可能だ。

Text by 冠ゆき