「ワクチン接種者はマスク不要」CDC新指針でトラブル発生
1月20日にジョー・バイデン大統領が就任後、ワクチン接種が順調に進行しているアメリカ。ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、現在、全米の接種完了率は41.15%と4割を超えており、およそ2.5人に1人がワクチン接種を済ませたことになる。12歳未満の接種は始まっていないが、米疾病対策センター(CDC)のデータによると、12歳以上に限定した完了率は48.2%、18歳以上では51.5%に達している。また、ワクチン接種が進むと同時に、新規感染者も減少傾向にある。
そのようななか、CDCは5月13日、マスク着用のガイドラインを変更し、ワクチン接種を終えた場合、室内でのマスク着用が不必要であるという新しい指針を公表した。バイデン大統領はCDCの新指針公表を歓迎し、その後多くの州でワクチン接種を終えた人々に対するマスク着用令が次々に緩和された。
しかし、突然のCDC発表に「まだ早いのではないか」と戸惑いや驚きを感じる人も多かったようだ。今回の新指針はワクチン接種者に限定されているが、テキサス州のように、ワクチン接種をしたかどうかにかかわらず、マスク着用令を撤回した州も多い。マスクを着けていない人々がすでにワクチン接種を受けたか、受けていないかは周りの人々には知る由もなく、いまの段階ではマスクをしていない人々の近くにいることに抵抗がある人も多いだろう。
◆マスク新指針で着用令廃止州も
米情報サイト『サロン』によると、CDCの新指針公表後、ミシガン州やケンタッキー州、イリノイ州など民主党知事州を含む国内の多くの州で、新しい指針に沿ってこれまでのマスク着用令が廃止されたり、一部変更されたりした。記事によると、ミズーリ州カンザスシティの市長(民主党)は当初、「マスク着用令を変えない」という姿勢を示したが、その後「ワクチンを打った人と打っていない人の区別をつけるのが難しい」という理由でマスク着用令そのものを廃止したという。また最もリベラルな州の一つであるカリフォルニア州でも6月15日の経済完全再開に向け、同日よりマスク着用に関する指針を修正する。
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