日本が参加しない「消えた子供の日」国際デー
5月25日は、国際行方不明児童の日だ。シンボルは「私を忘れないで」の花言葉を持つワスレナグサ。2001年から存在する国際記念日だが、日本ではほとんど語られることがない。
◆レーガン米大統領が最初に提唱
なぜ5月25日なのか。理由は1979年に遡る。この日ニューヨークで起きた6歳の男児誘拐事件は、全米に情報の公開と捜索ネットワークの重要性を認識させた。4年後の1983年、当時のロナルド・レーガン米大統領が「行方不明児童の日」を制定するにあたり、この日を選んだのだのはそのためだ。その後、1998年には、グローバル・ミッシング・チルドレンズ・ネットワーク(GMCN)が立ち上がり、行方不明となった子供たちの捜索に関する支援を始める。この運動に賛同する国はその後増え、いまでは4大陸の31ヶ国が加盟している。アジアの加盟国には韓国や台湾があるが、日本は非加盟である。また、1999年にはベルギー・ブリュッセルに児童失踪・児童虐待国際センター(ICMEC)が公式に設定され、「行方不明児童の日」は、2001年から国際的な記念日となった。
◆世界で年間100万人が行方不明に
では、実際、行方不明になる子供はどのくらいいるのだろうか。ICMECによれば、行方不明となる子供は年間100万人以上に上る。アメリカで約46万人、イギリスで約11万人、ドイツで約10万人、インドで約9万6000人、カナダやロシアでは約4万5千人、オーストラリアとスペインで約2万人、ジャマイカで約2000人という見積もりをICMECは挙げているが、付記にある通り「これは大雑把な把握でしかない。行方不明になった子供の統計データすら手に入らない国は多い」ことも忘れてはならない。
次に、行方不明になる理由はなんだろうか。フランスの「行方不明者の支援と捜索」協会(ARPD)によれば、最も数が多いのは家出だ。ARPDは、EU内では毎年約25万人の子供が行方不明になっていると記すが、家出を理由とするものは、そのうち50%以上を占める。そのほかの理由としては、犯罪に巻き込まれた可能性のほか、親による実子誘拐などが挙げられる。