ワクチン接種者の旅行熱が欧米で再燃 遅れ目立つ日本
◆ワクチン接種者も入国困難な日本
そんな欧米の動きと対照的に、今夏オリンピック開催を予定している日本では、ワクチン接種が大幅に遅れている。4月29日時点で日本の接種完了者は99万5758人と、全人口のわずか0.8%。アメリカでは広く普及しているモデルナ製のワクチンが今後日本でも承認され、大規模接種が開始されればこの数はすぐに改善するだろうが、新型コロナワクチンに関しては、他国政府と比べ対応に出遅れが目立つことは否めない。
しかも日本政府には現在のところ、ワクチン接種者の入国規制緩和に関するガイドラインもない。在アメリカ日本大使館のウェブサイトによると、アメリカから日本へ帰国する場合、出国前72時間以内に検査を受けて陰性証明書を取得することが必要だ。しかも、陰性証明書があっても、日本入国後2週間の自宅待機や公共交通機関の不使用などの規制があるため、たとえワクチン接種済みの日本人であっても、日本への帰国は困難な状況にある。
オリンピックまでまだ3ヶ月あるが、バイデン大統領就任後、猛スピードでワクチン接種を行ってきたアメリカで、1月20日以降100日で国民30%が接種済みという状況をみると、8月までに日本のワクチン接種がそこまで進むかどうかは怪しいところだ。今後欧米でワクチン接種者の入国規制を緩和する動きが進み、日本がそれに追随する可能性に期待したい。
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