ブラジル型変異ウイルスが警戒される理由
◆ブラジル変異株の問題点とは?
ブラジル変異株には、現在P1とP2と呼ばれる2つの型が確認されている。P2の数はまだ少なく今後どの程度の影響力を持つかは未知数である。
フランス公衆衛生局の発表によれば、このブラジル変異株P1は、従来のものより、40~120%感染力が高いと見られる。加えて気になるのが、再感染者の数が多いことだ。つまり、P1には従来株の罹患者が身につけた免疫が効かないとみえる。MedRxivに3月3日発表された研究では、P1は25~61%免疫回避能力が高いと見積もられている。
これは、既存のワクチンの有効性にかかわる問題だ。いまのところ、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのどのワクチンもP1への有効性のデータを持ち合わせていない。というのも、ブラジルで広く接種されているワクチンは、中国製のシノバックなのだ。
フランスの感染症専門医ダヴィド医師が提案するように、ブラジル変異株P1に対するシノバック以外のワクチン効果の速やかな研究が必要とされている(20 minutes)。
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