減少する精子 人類の存続を脅かす、米疫学者が警告

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 アメリカの研究者が、男性の精子数がこの数十年で激減しているとし、「人類はもう従来の方法で子孫を残すことはできなくなるかもしれない」というショッキングな見解を示し、話題になっている。いわゆる「環境ホルモン」により、人の生殖機能が影響を受けているという主張だ。

◆ディストピア間近? 化学物質が人類を滅ぼす
 内分泌系に影響を及ぼすことにより、生体に障害や有害な影響を引き起こす外因性の化学物質は、日本では「環境ホルモン」と呼ばれ、一時期大きくメディアで取り上げられた。「環境ホルモン」は実は便宜的な通称で、正しくは「内分泌かく乱物質」と呼ばれる。

 この内分泌かく乱物質の生殖への影響を数十年にわたって研究してきたのが、マウント・サイナイ医科大学の環境医学公衆衛生学部教授、シャナ・H・スワン氏だ。著書『Count Down』で、人類の不妊症の増加を記録し、この傾向が続けば人類は悲惨な結末を迎えることになると警告。普通に子供が生まれなくなり、小説『侍女の物語』や映画『トゥモロー・ワールド』のディストピアの世界が現実になるとしている(USAトゥデイ紙)。

Text by 山川 真智子